また、アメリカのルイス・ロビノビッチ博士も同様の実験を行い、ウサギを用いた研究で心臓のリズムを正常に回復させる方法を確立しました。ロビノビッチ博士は、除細動時に電極を胸部に配置することで、脳の感受性の高い部分を保護しながら心臓を効果的に刺激できることを発見しました。この技術は、現代のポータブル除細動器の設計に影響を与えました。彼女の業績は重要でしたが、彼女が女性であったことや個性的な性格が原因で当初は医療界から無視されることもありました。
1925年頃、ルイス・ロビノビッチの重要な発見は忘れ去られてしまいましたが、1980年代初頭にアメリカの電力会社が高電圧線を使用する作業中に多くの作業員が死亡する事態を受けて、ジョンズホプキンス医科大学のチームに調査が依頼されました。この調査で、30年前にプレボストとバテッリが行った実験結果が再確認されました。研究によると、犬に110ボルト程度の電気ショックを与えた場合、心室細動が発生しますが、2200ボルトというより大きな電圧のショックを与えることで、心臓が一時的に停止した後、正常なリズムを回復することが可能でした。この再発見により、ウィリアム・コウベンホーベンという研究者が移動式の除細動器を設計することになりました。この研究は、ロビノビッチが20年前に取り組んでいた類似のアプローチを再評価する機会を提供しましたが、ロビノビッチの貢献は、当時はほとんど認識されていませんでした。
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