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【14】心室細動と高電圧ショック

更新日:2024年11月11日

1925年ごろには、ベックの発見は既に忘れ去られていました。当時、アメリカの電力会社は高電圧線を使用した作業中に多くの作業員が死亡することに懸念を抱いていました。電力会社はジョンズホプキンス医科大学のチームにこの問題の調査を依頼しました。ジョンズホプキンス医科大学のチームの結論は、ベックが30年も前に発見したことを再確認したものでした。

犬に110ボルト程度の電気ショックを与えると、心臓は心室細動に陥ります。心室細動はより高い電圧(この場合は2200ボルト)のショックによって元に戻すことができました。このショックによって心臓は一時的に数秒間停止し、その後正常な心拍が再開します。

ウィリアム・コウベンホーベンという研究者は、この必要なショックを与えられる移動式の除細動器を製作しました。この装置は救急車でも採用され、そのデザインは後世でも採用されることになりました。しかし当時、ロビノビッチのように除細動器を研究した女性はなかなか受け入れられず、ベックの業績にも日の目は当たりませんでした。



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