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【28】セニングの決断と手術

エルス-マリー・ラーソンの情熱にセニングは抗うことができませんでした。安全性を考え、エルムクビストは2つのペースメーカーを製作しました。これらは2つのトランジスタを使用したシンプルな電子回路で構成されており、エポキシ樹脂のケースに収められていました。形状とサイズはおおよそアイスホッケーのパックに似ていました。1958年10月8日の夜、セニングは手術を行い、アーンの心臓表面に電極を縫い付け、腹直筋の後ろにペースメーカーを収めるポケットを作りました。

最初は順調でしたが、翌朝2時にペースメーカーが突然停止しました。セニングは慌ててエルムクビストの研究室に走り、予備の装置を持ち帰って交換しました。新しいペースメーカーは問題なく機能し、アーンのアダムストークス発作は止まりました。しかし、このペースメーカーは毎週バッテリーが消耗し、無線で充電する必要がありました。電力はエルムクビストが開発したワイヤレス充電システムを通じて供給され、エルス-マリーの胸に巻かれたコイルから皮下に埋め込まれた小さなコイルに送電されました。


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