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心臓移植の歴史 【13】免疫学のブレイクスルー

  • 執筆者の写真: Yumiko Hosoda
    Yumiko Hosoda
  • 9月14日
  • 読了時間: 1分

章13:免疫学のブレイクスルー


なぜ移植組織が拒絶されるのか、研究者たちは長年理解できずにいた。1902年、ウルマンは「第4の要素」が移植組織を破壊する可能性を示唆した。

1941年、イギリスの生物学者ピーター・メダウォーは戦傷兵の治療法を探る政府の要請で皮膚移植の研究を行った。彼は、同じウサギに2度皮膚移植を行ったところ、2回目の移植が1回目よりも早く拒絶されたことを発見した。

これは免疫システムが移植片異物として認識し、特異的な抗体を作ることで再度の拒絶反応を早めるという「獲得免疫応答」であると彼は理解した。この発見は、免疫反応を抑制すれば移植が成功する可能性があるという新たな方向性を示した。後に有効な免疫抑制剤が発見されたことで、移植医療は大きく進展することとなった


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【用語解説】


移植片(いしょくへん) 

移植する組織の一部のこと




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